英会話の勉強は本当に必要なの?

1年間会長職を勤めさせていただきました。この間、コロナ禍で本来の公民館での活動がほとんどできなかったわけですが、皆さんの御協力によりなんとかオンラインを含めレッスンを継続することができました。メンバーの皆さんに心から感謝申し上げたいと思います。

さて、タイトルにありますとおり、英会話を学ぶことが将来必要なくなるのではないかとの疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。近年、人工知能(AI)技術が格段の進歩を遂げていて、Googleなどの翻訳ソフトのクオリティーにも目を見張るものがあります。近い将来、自分が話した言葉が瞬時に正確な英語になって相手に伝えられ、相手からもちゃんとした日本語で返ってくるようになるかもしれません。そんな時代が来るとしたら、苦労して今英語を勉強する必要が果たしてあるのでしょうか。この疑問に対し、私は、3つの点で、英語・英会話学習がいらなくなるどころかこれからもますます必要になってくると思っています。

1つ目は、AIがいくら進化したとしても、多様な意味をもつ言葉を正確に訳すことは困難であるということです。広辞苑に載っている日本語の単語が25万語と言われていますが、その中には例えば「かける」、「とる」などのようにいろんな意味を含む単語がたくさんあり、会話の文脈の中でそれを瞬時に見分けることは機械学習のAIでは限界があると言われており、私も同じ考えです。

2つ目は、世界共通語としての英語のウエイトがさらに高まるということです。現在、英語を日常的に使っている人が、ネイティブを含めて15億人と言われています。フィリピンやインドなどではかなりの人が流暢に英語を使いこなしています。スポーツ選手のインタビューでも英語での受け答えが普通ですし、国際会議でも通訳がいなければほとんどの出席者が英語でスピーチをします。このようにグローバル化が進めば進むほど国際共通言語としての英語の役割はますます高まっていくと思います。

3つ目としては、語学全般に言えることかもしれませんが、言葉は文化の最たるもので、言葉をAIに頼ることは外国の文化の理解や共有が進まなくなるということです。会話や文章を通して他国の情報を知ることが多いと思いますが、その中で自ら能動的に言葉を調べてその内容を想像する作業が必要になります。その作業の中でその国の文化や芸術、風土などを知り、興味をもつことは、国際交流の基礎であり、単に機械的に翻訳されたもので認識したとしても本当の意味での相互理解や文化の共有は進まないと思います。

ここまで英会話を勉強する必要性について述べましたが、もちろん、現在のテクノロジーはたくさんのいい面を持っていることは言うまでもありません。翻訳ソフトの能力は日進月歩です。上手に使いこなせば皆さんの英語力の向上に繋がることは間違いないと思います。

Tossy(赤木利行)

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